世界中で大ヒットとなったスターウォーズのスピンオフ映画「ローグ・ワン」。一般視聴者をはじめ、プロの批評家からも高評価を得ているこの作品に対して、つまらない、退屈だといった批判ももちろんあります。ここではそんな批判的な意見をまとめたうえで同作品を分析してみましょう。
1、結局いつもデス・スター
ふと気づくと、スターウォーズ旧シリーズしかり、「スターウォーズ/フォースの覚醒」しかり、この「ローグ・ワン」しかり、敵軍による科学兵器の攻撃を食い止めるというプロットになっているのに気づいたでしょうか。
「スターウォーズ/フォースの覚醒」では名前こそ、スター・キーラー・ベースとなっていますが、一発で惑星を吹き飛ばすほどの破壊力を持った兵器という点では同じです。実際、同じプロットの使いまわしにはいい加減飽きたというファンの声も出ています。
2、舞台がコロコロ変わりすぎ
前半の30分ほどにあまりにも多くの場所を行ったり来たりするため、詰め込みすぎた感がありました。スクリーンには次々と視聴者が知らないラムー、エアドゥー、ジェダなどといった惑星だけでなく、基地がノンストップで映し出されます。
その間に帝国軍、反乱軍だけにとどまらず、様々な人々が登場することから、今どこで誰が何をやっているのかが少し分かりにくい部分がありました。
もともとスター・ウォーズの世界に馴染みのある人はついて行くことができても、初めて見る人には混乱を招くようなテンポの速さだったですね。
3、キャラクターが多すぎ
最新作であり、また旧スターウォーズの懐かしさも売りにしていることから、新旧のキャラクターが大勢登場しています。それ故にひとりひとりのキャラが薄くなってしまった印象がありました。
特にメインキャラクターであるジン・アーソとキャシアンの二人組はメインを担うほどの背景やエピソードを持っておらず、感情移入するのが難しかったのではないでしょうか。
キャシアンがどうしてあそこまで帝国軍を憎んでいたのかといったことをもっと掘り下げても良かったですね。
また、ジン・アーソが「スターウォーズ/フォースの覚醒」のレイとも被っていたのも問題です。ヒロインを起用することで、女性視聴者を集めようといった戦略でしょうが、さすがに二回連続だとキャラが被ってしまうのは無理がないです。
4、話が暗い
ストーリー、音楽、映像の全てに暗い雰囲気が漂っていました。次々と登場人物が戦場で倒れていく下りもこの映画をさらに暗いものにしています。
その「暗さ」が原因で、ルーカス・フィルムの一部の関係者のみが視聴したテスト上映でOKが出ずに、大部分を撮影し直すという異例の事態に陥っています。
新たに取り直した作品ではユーモアを加え、キャラクターたちをブラッシュアップし、エンディングまで変更になったそうです。それでも従来のスターウォーズ映画と比べると、戦争映画の要素が強く、大人向けの映画に仕上がっていましたね。
5、ジェダイがいない
多くのファンがスターウォーズに望んでいるもの、それはジェダイの騎士とシスによるライトセーバーの戦いです。会話の中にこそジェダイが挙がることはありましたが、結局一人も登場せずに物語は幕を閉じてしまいます。
カメオでもいいからオビワンケノービーが登場したり、せめてヒロインのジン・アーソに特殊な能力があれば戦闘シーンにまた違った迫力が出ていたはずです。
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