2017/11/02

ブレードランナー2049のトリビアまとめ完全版【ネタバレ】

前作に引き続き賛否両論を巻き起こしたSF超大作「ブレードランナー2049」。難解なストーリーと意味深な演出に隠されたメッセージとは一体何なのか。トリビアをまとめてみました。

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1、Kの名前の由来

ライアン・ゴズリング扮する本作の主役といえばブレードランナーのK。もともと彼がKと呼ばれているのは、レプリカントであり、シリアルナンバーがKD9-3.7だからです。

しかしながら本当の由来はまた別のところにあります。というのもブレードランナーの原作者であり、生みの親フィリップ・K・ディックのミドルネームがKであり、彼に敬意を示すためにこの名前を起用したのです。

ちなみにブレードランナーの元ネタとなったのは小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」です。

3、Kはリック・デッカードがモデル

言うまでもなくKのキャラクターは前作のリック・デッカードを基にしているのが分かりますね。無表情で寡黙な性格ということでも二人は共通しています。

髪型、ファッションまで似ているうえ、二人とも自分に対して感情があるのかはっきりしないアンドロイドの女性に恋を抱き、相手を失う運命にあるところまで同じです。

まさにブレードランナーの世代交代といった感じにも見えましたが、しかし二人の運命は全く別のものにあります。Kは同じブレードランナーでもレプリカントであり、リック・デッカードの素性は謎に包まれたままです。果たして彼は人間なのか。それとも。

3、マリエットはプリスがモチーフ

LAの街でKに話しかける3人組の女の子のうちの一人が写真右のマリエット。実はこのキャラクター、前作の女レプリカント、プリスをモデルにした登場人物です。

マリエットはレプリカントではなく人間の女性でしたが、外見や振る舞いはプリスを彷彿させるものがありましたね。ちなみにマリエットを演じたマッケンジー・デイビスはプリスのコスプレをしてオーディションに臨んだそうです。

4、ガフがカメオ出演

前作で意地悪な警察官として登場したガフですが、本作にもカメオ出演しています。Kがリック・デッカードの居場所を聞きにガフを訪れたのは老人養護施設。

すっかり歳をとったガフですが、折り紙を折る癖は相変わらずで、そこでは馬ではなく羊の折り紙を折っていました。これも原作の「羊」をモチーフにしたものです。

ガフの特徴はスペイン語、日本語、ドイツ語、ハンガリー語、中国語、フランス語などを混ぜて話すところです。それは物語の中のLAでは多くの文化が入り乱れているという設定だからです。

5、企業のネオンサイン

前作に引き続き、LAの街にはたくさんのネオンが光っています。その中には実在する企業としない企業があるのに気づきましたでしょうか。

最も分かりやすいのがコカコーラでしょう。それ以外にはゲームメーカーのアタリ、パンアメリカン航空(PAN AM)などが見つけられるはずです。

ちなみにアタリは他の企業に買収されたほか、パン・アメリカン航空は破産しています。それでもブレードランナーの世界では行き続けているようです。

また、ネオンサインとは違いますが、ソニー製品のホログラム式のジュークボックスが登場します。メーカー名がやや強調されてスクリーンに映るのはソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが本作の配給を担当しているからです。

6、人口の動物

前作ではふくろう、蛇などの人工的に作られた動物が登場します。外見は生きている動物そのものですが、この時代にはペットですら人工的に作られたフェイクのものが出回っているという設定になっています。

それに対し、本作では動物はほとんど登場しませんが、唯一リック・デッカードが飼っている犬が人口ペットに当ります。

Kがリック・デッカードをラスベガスに訪ねたときに二人はバトルを繰り広げます。その後、喧嘩が落ち着いたときにリック・デッカードは犬にまでお酒を与えてあげるシーンがあります。

そこでKは「本物の犬なのか」と聞きます。すると、リック・デッカードは「彼に聞きな」といってはっきりと質問に答えません。

しかしお酒を美味しそうに飲んでいることからも人工的に作られたのはいうまでもないでしょう。動物まで人工的なものになったのはこの時代までにはほとんどの動物が絶滅しているからです。

7、雪が降る理由

前作の廃墟と化したロサンゼルスの空にはスモッグに混じった汚い雨が降っていましたが、今回はそれが雪に変わっているのに気づいたでしょうか。

その理由のひとつに2019年から2049年の間に世界の気候はもちろん、ロサンゼルスの気候が激変したということが考えられるでしょう。

ちなみに現実の世界においてはロサンゼルスのあるカリフォルニア州は一年中比較的暖かく、冬でも雪が降ることはありません。

それなのになぜ雪を降らせたのか。その理由は監督のドゥニ・ヴィルヌーヴがカナダのケベック州出身だからです。ケベック州では冬の時期マイナス10度を下回ることも多く、ひどいときは最低気温がマイナス30度にもなります。

そんな地域で育ったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督にとって現実とは雪の降る都市なのです。物語に現実感を出すためにドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は自分が理解している環境を映画の材料に使うことを決めたのでした。

もし監督がドゥニ・ヴィルヌーヴではなかったら、同シリーズで雪が降ることはなかったでしょう。

8、ロサンゼルス警察のコードの意味

Kはロサンゼルス警察で仕事をする際には毎回心理テストに似た検査を受けさせられます。

その検査は「Post-Trauma Baseline Test トラウマ後の基準検査」と呼ばれ、レプリカントである彼が事件後などに精神的に動揺していないか、人間的な感情が介入していないかどうかを計測する検査のことです。

なぜならレプリカントにとっては人間性がないことが優秀なレプリカントである証だからです。

検査のとき、Kは何度も「cell」、「interlinked」などの単語をランダムに繰り返し言わされますが、実はあれには由来があります。

実はあれはロシア人小説家ウラジーミル・ナボコフの「Pale Fire」という小説の一説から引用してきたものなのです。ちなみにKの恋人であるジョイがKのアパートで手にする小説もまた「Pale Fire」です。

9、リック・デッカードとレイチェルには何があったのか

バージョンによっても結末は若干変わりますが、前作の「ブレードランナー」ではリック・デッカードとレイチェルが恋に落ち、当局から追われるのを恐れて逃亡するところで幕が閉じます。

本作でリック・デッカードが語っていたように二人はその後、当局の監視の目から逃れるためにひっそりと身を潜めます。そしてサッパー・モートンやフレイザらが率いるレプリカントの地下組織と合流します。

前章の動画ではレプリカントの反乱により地球で10日間の大停電が起き、データが消失されたことが説明されていますが、大停電の裏では地下組織が関わっていたのです。

大停電の前、リック・デッカードとレイチェルの間に奇跡的に赤ん坊が誕生しました。しかし出産の際にレイチェルは命を落とし、サッパーの家の庭にある枯れた木の下に埋葬されています。

一方のリック・デッカードはレプリカントの間に生まれた自分の娘が当局から命を狙われることを察し、彼女をサンディエゴの児童施設に送り、自分もラスベガスに逃亡したのでした。

「誰かを愛するためにはときには他人にならないといけない」。

リック・デッカードは娘と一緒に生きることのできない自分の運命について語っていたのです。

10、リック・デッカードとレイチェルの娘ドクター・アナ・ステリンって誰?

リック・デッカードとレイチェルの娘アナ・ステリンが生まれた直後、アナ・ステリンはサンディエゴにある児童施設という名の児童強制労働所に送られます。

そこでは子供たちが朝から晩まで奴隷労働を強いられています。愛する自分の子供を送る場所として不適切ですが、生まれや出身の分からない子供たちが大勢いることを考えると、絶好の隠れ場所といえそうです。

そこでアナ・ステリンは木で作った馬の玩具をめぐって他の子供たちから追いかけられます。そしていじめっこたちに盗られないように木の馬をかまどに隠しておくのでした。

そのときの記憶を埋め込まれたのが、レプリカントの刑事であり、ブレードランナーのKです。Kは自分がリック・デッカードの息子だと勘違いしたのはそのためです。

後にアナ・ステリンは何者かによって施設から出され、当時の記録も全て消されます。そして免疫不全のためにLAにある記憶作成バンクの施設に隔離されて生活するようになったのです。ちなみに彼女は記憶のスペシャリストとしてウォレス・コーポレーションの下請けとして働いています。

もちろんウォレスは彼女がまさかレイチェルの子供であるとは想像もしていません。

11、ネアンデル・ウォレスの目的は何なのか

本作のラスボスにして最大の敵キャラといえば天才科学者ドクター・ネアンデル・ウォレス。レプリカントを開発したタイレル社が潰れ、大停電を経て、レプリカントが全面禁止となった地球で、レプリカントの製作会社として立ち上がったのがウォレス・コーポレーションです。

ドクター・ネアンデル・ウォレスは人間に完璧なまでに忠実なレプリカントの開発に成功し、2036年に半ば政府を脅すような形で禁止を取り下げさせています。彼は大量にレプリカントを生産し、将来的には9つの惑星で人類を移住させる計画を立てているのでした。

彼にとってレプリカントとは奴隷以外の何者でもなく、レプリカントを利用して地球はもちろん宇宙を制覇しようと考えているようです。レプリカントを自由に操ることができる彼は自分のことを全能の神のように思っているふしがあります。

そんな中、彼の耳に入ってきたのがレプリカントであるレイチェルが子供を産んだというニュースです。

ネアンデル・ウォレスにとってレプリカントが生殖機能を身につけたら、それこそ無限にレプリカントを繁殖させることが可能になるわけで、自分の会社の将来を左右する謎を解明しない理由はないでしょう。

しかしながらすでにレプリカントの全データは消滅しており、レイチェルも死亡しています。そこで彼が目をつけたのは、レイチェルの子供です。

レイチェルの子供を探し出せばその謎が解けると信じ、ロサンゼルス警察にある骨を部下のラブに盗ませたり、Kを尾行させたりしていたのです。

12、レプリカントの地下組織が戦う理由は?

サッパー・モートンやフレイザらが率いるレプリカントの地下組織は、自分たちの自由と権利を勝ち取るために立ち上がろうとしています。彼らの自由を脅かす敵は人間たち、特にウォレス・コーポレーションのネアンデル・ウォレスです。

自分たちの身の安全を守るため地下組織は大停電を引き起こし、レプリカントのデータを消去することに成功します。彼らの戦いは奴隷からの脱却であり、アイデンティティーの確立でもあります。

彼らのアイデンティティーを象徴するのが他でもないリック・デッカードとレイチェルの娘アナ・ステリンです。Kが自分こそが二人の子供だと信じたように、ほかのレプリカントたちもまた誰かの子供でありたいと心底願っているのです。そしてそんな希望や願いこそが彼らが人間より人間らしい何よりの証拠だと信じてやまないのです。

13、馬の玩具の意味は?

前作でユニコーンが何度も登場したように、本作では馬の玩具が度々登場します。一体あれは何を意味しているのでしょうか。

Kは木でできた馬の玩具の記憶が頭から離れません。子供の頃、児童施設でいじめっこたちに追いかけられ、馬の玩具をかまどに隠した、という記憶。

まるでそれを確かめるように彼は、サンディエゴの児童施設のかまどに手を伸ばし、同じ馬の玩具を見つけます。そこでこう思うのでした。

「もしかしたら自分はリック・デッカードの息子なんじゃないだろうか」。

つまりはそれは自分は普通のレプリカントではなく、人間の血が入っているのではないかという疑問でもあります。つまり馬の玩具は物語の中で人間性を示唆しているのです。

しかしながら後半になって彼の記憶は彼のものではないことが判明します。彼の記憶はアナ・ステリンの記憶だったのです。

Kにアナ・ステリンの記憶が埋め込まれたのは、アナ・ステリンの出生をカモフラージュする目的があるほか、Kによって父親のリック・デッカードと娘のアナ・ステリンを最終的に引き合わせるためのプログラムだったとも考えられそうです。実際にアナ・ステリンのもとにリック・デッカードを連れて行ったのは他でもないKでしたね。

前作におけるユニコーンは、リック・デッカードが人間であることを示すものであったのと同時に彼がレプリカントであるかもしれないといった両方の可能性を示唆していました。

Kの馬の玩具の記憶がただの埋め込まれた人工的な記憶だったことからも、本作でも同じことが言えます。自分の記憶は埋め込まれた記憶なのか、それとも人間が本来持つ記憶なのか。

その葛藤の中にはどこか自分は人間であって欲しい、といった希望が感じられますね。2049年の世界では人間とレプリカントに大きな違いはありません。そんな中、彼らにとって馬の玩具は自分のアイデンティティーを守るための心の拠り所といえそうです。

14、ウォレス役はデヴィッド・ボウイがやる予定だった


ジャレッド・レトが演じたネアンデル・ウォレス役は、実は歌手のデヴィッド・ボウイがやる話が出ていました。この役をこなすにはとにかく強いカリスマ性がある人、年齢不詳な曖昧な雰囲気がある人が条件だったのです。

しかしデヴィッド・ボウイは2016年1月10日に死去。その結果、白羽の矢が当ったのがジャレッド・レトだったのです。これについてはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督自身がインタビューで語っています。

15、レイチェルが子供を産めた理由

前作の2019年の舞台ではリック・デッカードは人間に反抗したネクサス6のレプリカントたちを追っていました。

それに対し、本作に登場するレプリカントたちは、大停電の前にタイレル社によって生産されたネクサス8と、Kを含む人間に忠実なネクサス9の2タイプに分けられます。

ところがレイチェルだけはネクサス6でも8でも9でもないネクサス7型なのです。それは彼女の頭蓋骨のシリアルナンバーがN7から始めることを見ても分かります。つまりネクサス7型は唯一繁殖機能を搭載したモデルだったのです。

自分を神だと信じてやまないネアンデル・ウォレスではなく、エルドン・タイレルが一足先に不可能を可能にしていたというのはなんとも皮肉なことですね。

16、レイチェルの瞳は緑色じゃなかった

ウォレスに身柄を拘束されたリック・デッカードの前に、突然知り合った当時のレイチェルが突然姿を現します。顔も声もレイチェルそのもの。

しかしリック・デッカードは「レイチェルの瞳は緑色だった」といって、目の前のレプリカントを拒絶するのでした。ウォレスはレイチェルに心を奪われないリック・デッカードを見て失望し、レイチェルをその場に射殺してしまいます。

しかし実はレイチェルはもともと茶色の瞳をしていて、ウォレスが作ったレプリカントが瞳の色を再現しきれていなかったわけではないのです。

それではなぜリック・デッカードは「レイチェルの瞳は緑色だった」などと言ったのでしょうか。それは彼はレイチェルを愛しているのであって、レイチェルと同じ外見をしたほかのレプリカントを望んでいるわけではなかったからです。

そのような心理があの一言に隠されているのでした。

17、レイチェルは聖書の引用

旧約聖書の創世記にはヤコブと妻ラケルという登場人物がいます。ラケルの英語読みがレイチェルであることを考えると、本作のレイチェルのエピソードが聖書の引用であることが分かります。

創世記ではラケルはもともと不妊の女性で、神によって子供を授かることを許され、そして出産のときに命を落してしまいます。

それはまさに本作のレイチェルと全く同じ背景です。違うのは創世記ではラケルは女の子ではなく、男の子を生んだことです。

18、リック・デッカードはレプリカントなのか

30年以上に渡ってファンの間で囁かれてきたリック・デッカードのレプリカント説と人間説。多くの人は本作で謎が解けることを大いに期待していたことでしょうし、実際にどちらかはっきりするといった報道までありました。

結論から言うと、本作ではリック・デッカードがレプリカントなのか人間なのかについてははっきりとは触れていません。

製作側の立場に立って考えると、このシリーズの最大の謎であり、議論の的の答えを明かしてしまうとファンの興味が薄れてしまう恐れがある、というのが正直なところでしょう。なぜならそもそも同シリーズは多くの箇所を曖昧に描くことでカルト的な人気を得た映画だからです。

ちなみに前作の監督である リドリー・スコットはリック・デッカードはレプリカントであると名言しているのに対し、ハリソン・フォードは人間だと反論していました。

ハリソン・フォードはユーチューブチャンネルVICEのインタビューで「同件はすでに解決済みだ。だけど答えは言わないよ。言ったら、人々が議論できなくなってしまうから」と話しています。

彼の言葉からも製作側がもともと答えを明かす気がないことが分かりますね。果たしてリック・デッカードはレプリカントなのか、人間なのか。それは視聴者ひとりひとりが自分なりに解釈するしかないということです。

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