グリーンブックのあらすじを結末まで徹底紹介!

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人種差別と友情をテーマにした感動のロードムービーといえば「グリーンブック」。その気になるストーリーを最初から最後まで徹底紹介します。

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1、ナイトクラブの用心棒

イタリア系アメリカ人のトニー・リップはニューヨークのナイトクラブ、コパカバーナで用心棒として働いていた。

ナイトクラブでは喧嘩やトラブルは当たり前。そんなときトニー・リップは手荒な手を使ってでも暴れた客を追いだし、難なく問題を解決してしまうことで知られる存在だった。

ところがコパカバーナはある日、リフォーム工事のため一時的に閉めることになり、トニー・リップは職を失ってしまう。

トニー・リップには妻と息子が二人おり、なんとか食べさせていかなければならなかった。彼はホットドッグの大食いで賭け、小銭を稼いだり、時計を質屋に入れたりしてなんとか食いつないで行こうとした。

2、ドン・シャーリーとの出会い

そんなある日、トニー・リップの元に一本の電話がかかってきた。電話の相手は、あるドクターがドライバーを探しているけど興味はあるかとトニー・リップに聞いた。

住所をもらい、面接の場所に行くと、そこはミッドタウンにあるカーネギーホールだった。そんなところに医者のオフィスがあるとは思えなかった。

しかし従業員に聞くと、確かにドクターはカーネギーホールの上に住んでいるそうだった。ドクターの部屋に通されると、トニー・リップは自分の目を疑った。

部屋は高級な家具や飾りで溢れていた。まもなくしてドン・シャーリーがアフリカの王様のような恰好で現れた。ドン・シャーリーは黒人だった。

3、面接の結果

トニー・リップは黒人に差別意識を持っていた。つい最近、自分の家に修理工の黒人男性たちが来たときには彼らが使ったグラスをゴミ箱に捨てるほどだった。

そんなトニー・リップに対しドン・シャーリーは黒人のために働くことに抵抗はないかと聞いた。トニー・リップは問題ないと答えた。ついこの前にも自分の家に黒人が飲みに来たばかりだと嘘をついた。

ドン・シャーリーは医者ではなくピアニストだった。彼は自分のツアーに同行してくれるドライバーを必要としていた。

人種差別が特に厳しい南部を回る予定だったため、何かしらのトラブルに見舞われることが容易に予想できた。そんなときにトニー・リップのような用心棒役がいたら心強いと思っていたのだ。

しかしドン・シャーリーは「来てくれてありがとう」とだけ言って、トニー・リップを帰した。

4、南部ツアーの始まり

翌日の朝、トニー・リップに一本の電話がかかってきた。ドン・シャーリーからだった。ドン・シャーリーはトニー・リップの妻ドローレスと話がしたいと言った。

ドン・シャーリーはトニー・リップを8週間ものツアーに同行させるが、それでも構わないかと聞いた。ドローレスは夫と離れる寂しさを隠しながらも承諾した。

出発の朝、トニー・リップはレコード会社からグリーンブックを渡された。そこには南部で黒人が安全に旅行するためのガイドが書かれていた。

ドローレスは夫に必ずツアー中に手紙を書くように言った。そしてトニーの分とドン・シャーリーの分のサンドイッチを持たせた。

5、二人の性格

トニー・リップは運転中、食べ物を食べたり、タバコを吸ったりとやりたい放題だった。それにもまして一度話し出したら止まらなかった。

ドン・シャーリーはタバコの煙を嫌い、静かな時間を望んだ。トニー・リップは下品で口が悪いのに対し、ドン・シャーリーは常に上品に振る舞った。二人はまるで正反対だった。

話がかみ合わないことにいらだちを覚えたトニー・リップはドン・シャーリーのサンドイッチまでペロリと食べてしまう。彼の食欲は収まることを知らなかった。

6、ピッツバーグ

最初の目的地であるピッツバーグに着くと、ドン・シャーリーはタキシードを着て演奏に臨んだ。彼がピアノを弾くと、あまりの美しさから観客は息を飲んでその様子を眺めた。

トニー・リップもそのうちの一人だった。彼がドン・シャーリーの才能に惚れるのにそれほど時間は必要なかった。

翌日の晩、トニー・リップは妻のドローレスに手紙を書いた。手紙でも彼はドン・シャーリーの才能について語った。ドン・シャーリーのピアノはまるでリベラーチェかそれ以上だと言った。

7、オハイオ

車内でトニー・リップはラジオを聴いていた。ドン・シャーリーはラジオから流れてくる曲に興味を示したが、リトル・リチャードのことも、チャビー・チェッカーのことも、アレサ・フランクリンのことも知らなかった。

ドン・シャーリーはずっとクラシック音楽を聞いて育ったため、黒人の音楽にはうとかった。それがトニー・リップには信じられなかった。

コンサート劇場に着くと、そこにあるはずのピアノがなかった。スタインウェイのピアノを頼んでおいたのに代わりに適当なメーカーのピアノが舞台の上に置かれていた。

それを見てトニー・リップは責任者の男を呼び出し、殴りつけてスタインウェイのピアノを用意させた。

8、ケンタッキー

トニー・リップは、ドン・シャーリーに少しずつ興味を抱いていた。彼に家族はいないのかと聞いた。

ドン・シャーリーは、兄弟がどこかにいるはずだが音信普通だと言った。また、かつて結婚していたがピアニストと結婚生活を両立することは不可能だったと話した。

ケンタッキーでは二人は別々のモーテルに泊まらなければならなかった。黒人は白人とは同じ場所に泊まれなかったからだ。

その晩、ドン・シャーリーは一人でふらっと立ち寄ったバーで白人たちから暴行を受けた。

すかさずトニー・リップが助けに入り、銃を抜くフリをしてなんとか危機一髪のところを無事に切り抜けた。

トニー・リップは、今後一切一人で歩き回るなとドン・シャーリーに忠告した。

9、人種差別

南部に行けば行くほど人種差別は酷くなっていった。宿泊施設が黒人と白人で分けられているのは当たり前。

招待されて行った屋敷でもドン・シャーリーは黒人用の汚いトイレを使うように強要されることも多々あった。

南部の白人はドン・シャーリーをピアニストとして評価している一方で彼を劣等な黒人として扱うことには違いなかった。

ジョージア州ではスーツを買うのに試着もさせてもらえなかった。そんな状況を見て、かつては黒人差別主義者だったトニー・リップすらも信じられない様子だった。

10、手紙

旅行中にトニー・リップが書いている手紙をドン・シャーリーが取り上げた。読んでみるとあまりにも誤字脱字だらけで助言せずにはいられなかった。

それからというものドン・シャーリーが読み上げたものをさも自分で書いたかのようにトニー・リップが手紙に書き連ねていった。

ドローレスもすっかり上達したトニーの手紙が気に入っていた。いつの間にか家族たちにまで読んで聞かせて大評判になっていた。

11、警察沙汰

ある晩、トニー・リップのもとに警察から電話がかかってきた。YMCAのジムに行くと、シャワー室で裸のドン・シャーリーが手錠を掛けられていた。彼は裸の白人男性と一緒だった。

トニー・リップは警察に賄賂を渡してなんとかドン・シャーリーを解放してもらった。しかし正義感の強いドン・シャーリーは賄賂を払ったことが気に入らなかった。

テネシー州メンフィスのホテルの前で、トニー・リップは地元のイタリア人たちと偶然遭遇した。

マフィア風の男たちでトニー・リップに仕事があるから俺たちのために働けと言った。

それを聞いていたドン・シャーリーはトニー・リップに給料を上げるから辞めないでくれと頼んだ。

トニー・リップは昇給なんかいらない。一度引き受けた仕事は最後までやると約束した。二人には少しずつ信頼関係ができていた。

12、二度目の警察沙汰

大雨の中を車を走らせていると、パトカーが二人を乗せた車を止めた。差別的な警官たちはトニー・リップとドン・シャーリーを見ると、雨の中わざわざ車から降りるように命じた。

そして差別的な言葉を浴びせた。イタリア人であることをバカにされたトニー・リップは警察官を殴り飛ばした。それが原因で二人は警察署の留置所に送り込まれた。

ドン・シャーリーは留置所からなんとか一本の電話をかけることを許された。すると彼はあろうことか司法長官のロバート・ケネディに電話し、あっという間に釈放してもらった。

13、クリスマスショー

すっかり世間はクリスマスムードだった。アラバマ州のバーミンガムで一行は最後のショーを控えていた。

しかしホテルに着くなり、ドン・シャーリーは狭い倉庫の中で着替えさせられ、挙句の果てにはホテルのレストランで食事を取ることすら許可してもらえなかった。

散々抗議してもホテルのオーナーは黒人に対するポリシーを変える気はなかった。ドン・シャーリーはついに我慢の限界を迎え、クリスマスショーをすっぽかすことにした。ギャラはもらえなかったが、そんなことはどうでもよかった。

クリスマスショーをキャンセルしたドン・シャーリーはトニー・リップを連れて黒人の集まるバーに入った。タキシードを着た二人は明らかに場違いだった。

バーテンダーの女性から何の仕事をしているのかと聞かれた。ピアニストだと言うと、だったら弾いてみせてよと言われ、奥にある小さな舞台に上がった。

ドン・シャーリーがピアノを弾くと客たちはそれに聞き入った。演奏が終わると拍手喝采となった。

14、クリスマスイブ

トニー・リップはクリスマスイブの日を家族と過ごすため眠い目をこすりながらニューヨークを目指して車を飛ばしていた。

しかし天候は最悪だった。まもなく雪が降ってきてますます運転するのが難しくなった。そんなときにまた警察が車を止めてきた。

差別を受けるのかと思いきやタイヤがパンクしているのを教えてくれ、タイヤを交換するのを見届けてくれた。警察官はメリークリスマスと言って暖かく見送ってくれた。

体力の限界に来ていたトニー・リップの代わりにドン・シャーリーがハンドルを握った。二人はなんとかクリスマスイブの夜にニューヨークに着くことができた。

トニー・リップはドン・シャーリーに俺の家族に会ってくれと言った。しかしドン・シャーリーはそれを断った。

家族と久々に再会してもトニー・リップの顔はどこかさえなかった。一人でクリスマスを過ごそうとしているドン・シャーリーのことが心配で仕方がなかった。

すると、ドン・シャーリーがトニー・リップの家のドアの向こうに現れた。トニー・リップの家族は黒人のドン・シャーリーが来たことにびっくりしていたが、彼を歓迎した。

妻のドローレスはドン・シャーリーを見ると、彼に強くハグをして「夫の手紙を書くのを手伝ってくれてありがとう」と耳元で囁いた。

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